2019年 山本尚貴選手のF1への可能性
私は夏頃にこんな記事を書いた。
その中で、こうなればいいな、なんて夢物語を書いていた。
スーパーフォーミュラとスーパーGTのダブルタイトルで、山本尚貴選手はスーパーライセンスを獲得出来ると!
もちろん、そんな話は夢物語。ダブルタイトルなんて簡単な事じゃない!
希望記事や妄想記事では、そんなミラクル物語があった方が、読む方も書く方も面白い。だからそんな事を書いてみたりする。でもそのミラクルは起こらなくて当たり前。逆に起こるなんて思ってもいない。
しかし、彼はそれを成し遂げてしまった。
先日のスーパーGT最終戦もてぎでの熱すぎるバトル。ライバルに対してまさに紙一重での勝利を収めた。
でも、その会場の大きな歓声の中にどれだけの人がいただろう?
「山本選手、スーパーライセンスポイントが41ポイントになるよね」って思っていた人が・・・・・
私の感覚からしても、実はそれほど多くの人が気付いているとも思っていなかった。
F1のストーブリーグでは、様々な憶測記事が飛び交う。しかし、僅かにも可能性があるはずのホンダ枠、山本選手の名前は上がっていなかった。
牧野選手や福住選手の名前は上がるが、その二人のライセンスポイントが足りない事は確定している。ホンダ枠を条件に考えれば、この山本選手の名前が出ない事の方が不自然なぐらいだ。しかし、山本選手の名前はほとんど見かけなかった。まぁ結局F2からの参戦を基本なんだろう。
2019年ホンダエンジンが4台に供給される事を踏まえた時、ホンダとして、ホンダ枠ドライバーが必要だと感じているはず。2019年は不可能だと思っていたはずのホンダ。でもそのホンダドライバーから2018年、奇跡のダブルタイトルを獲った選手が現れた。山本尚貴選手だ!そんな山本選手にオファーが行かない訳がない。と私は思っている。
レッドブルホンダのドライバーは2名共に確定している。
ではトロロッソ・ホンダはどうだろうか? これも噂に噂を呼び、もうほとんど確定しているような話になっている。11月11日現在だ。
しかし、ホンダと一蓮托生の一面を持っている鈴鹿サーキットは苦渋の決断をして、F1の日本開催を向こう3年間(2021年まで)延長した。日本におけるF1歴史は決して軽いものではない。
オワコンだ!なんて言われていても、やっぱりF1。日本人として日本チームとして、モータースポーツの最高峰を目指したいと思う気持ちはあって当然だ。でもそれは日本GPがあってこそだ!
では、その鈴鹿サーキットが向こう3年間、F1日本GPの開催を延長した理由は何か?と問われれば、それはホンダエンジンを積んだマシンをドライブして、世界最高峰のF1の頂点に立つ日本人ドライバーを排出する為の他にならない。
その3年間ホンダがエンジンを供給する2チーム4台のマシンのどれかに日本人が乗らなくては、その意味を成さない。
2019年F1のシートに座れる日本人は、仮にメーカーの垣根を越えたとしても決して多くなかった
将来を踏まえた年齢で見れば、それはゼロだったのだ。
しかし、今回の奇跡のダブルタイトルによって、ホンダから生まれホンダと共に成長して、日本のファンの心をしっかりと掴み、名実共の日本一のドライバーとなった人が、今ここに現れたとしたら、F1のエンジンサプライヤーとしてどうするだろうか?
では、なぜこんな事を書こうかと思ったのか? それはレース後の山本選手の一言
「来年のこと、皆さんが何を求めているか理解しているが・・・・・・」
こんな一言。
私は思った??
みんな求めてるのかな? さっきも書いたけど、みんな、それ?気にしてた?
私もこんな記事も書いていた。F1ドライバーの可能性なんて記事も書いた。
もちろん、そうなればミラクルストーリーだと思っていた。
でもね、いざ、そんな選択肢が突然現れた時、いちファンとして、いちブロガーとしての答えが出ない。(お前の出す答えじゃないだろ!!ってツッコミは無しでお願いします)
純粋にオファーがあるならF1へ・・・・・・果たしてそうなのかな?
この記事を読んでくれた方に、そしてこの記事を書いている自分自身にも問いたい。
もし、自分が山本選手だったら・・・・・・(ここでもお前は山本選手じゃないだろ!って意見も無しでお願いします)
ごめんなさい続けますね。
来季、SFは無限から、SGTはレイブリックから、継続オファーがあるとする。
そこにF1、トロロッソからフル参戦のオファーが奇跡的にもあったとしたら、どうするか?
そんなのF1に決まっている。と言いきれるかな?
私なら悩む、決してトップ集団ではない、F1.5なんて言われるところ。成績次第ではレッドブルの昇格もゼロではないが、その道のりは更に険しい。
まるで違うパワーマシン。普段使う事のないピレリタイヤ。そして走り慣れていないコース。
年齢を考えても育成してもらっているほどの時間は持たせてくれないだろう。初年度からチームメイトより上。を確実に求められる状況。
その苦労の対価としてはもちろん、世界を転戦して2019年10月に鈴鹿へ凱旋した時のファンのボルテージは今シーズンよりも遥かに高いものになるだろう。ただどこまでやれるか? その不安はとんでもないプレッシャーとなって返ってくる。
では、もう一つの道を考えてみよう。
SFでは慣れ親しんだ無限チーム。阿部エンジニアとのタッグだ。マシンカラーは変わるかもしれないが、アシンメトリカルのMUGENにカーナンバー1が付く。
これはSGTでも同じ事。たった1台の3桁号車がなくなり、レイブリック1号車となる。
きっと記念グッズも発売されるだろう。
SGTではRAYBRIG #1
SFではMUGEN #1
この記念グッズを身に纏い。会場に足を運ぶファンも大勢いるだろう。
しかし、もしそこに彼の姿がいなかったとしたら、1号車のハンドルを握るドライバーが彼じゃなかったら・・・・・・
と、ここまで踏まえて、あなたならどちらを選択するだろうか?
家族を大切にして、チームの事を第一に考え、ファンの思いを大切にする彼が今、思う事。
山本尚貴選手が選んだ道なら、例えどの道でも、誰もがその道を応援するだろう。
しかし、その道を選ばなければならない彼の気持ちを思うとこんなブログを書いている私でさえも責任を感じてしまう。
「皆さんの気持ちは分かっているつもりです」
その言葉を聞いて本当に熱いものが込み上げてくる。きっと山本選手は応援してくれている人達。ホンダの関係者や様々な人の思いを汲み取った一言だったのだろうと思う。
このブログを山本選手が読む事はないだろうけど、私から言わせてほしい。
山本選手の気持ちを一番にして下さい!
ファンの気持ちは後回しで・・・・・・
ファンは色んな事を望んでいるかもしれない。
F1の世界に挑戦する姿を見てみたいと思っている人もいるかもしれない。
でも1号車として国内サーキットを駆け抜ける姿を見たい人もいると思う。
有名な方なので、プライベートの事まではどうかと思いますが、小さなお子様がおられる事もファンの人は知っています。
平均2週間に1戦、世界を転戦するF1。日本にいられる時間もほとんど無いと思います。
色んなリスクを抱えて世界に挑戦する山本選手も全力で応援しますし、国内で日本のファンの近くで1号車をドライブする山本選手も全力で応援します。
最後に余計な事を書きますが、私は山本選手だけのファンではありません。
スーパーフォーミュラ最終戦、鈴鹿でのレース後のインタビューで山本選手は「自分だけのファンではありませんし」と謙遜していましたが、もちろんそうです。あの時あの場所での賞賛の拍手はもちろん優勝した山本選手にも、最後まで気迫の走りを見せてくれたニック選手にもポイント圏外でも最後まで全力アタックしてくれていた、すべてのドライバーやチームに向けられたものです。
でもそんな、いちモータースポーツファンの私から、この2018年シーズンに関しては山本選手に素晴らしい結果をありがとうと言わせて下さい。絶対に無理と言われていた日本人F1ドライバーの道を一歩切り開いてくれた事に感謝します。そして、その勝利を劇的な物に変えてくれた強力なライバル達にも感謝します。
スーパーフォーミュラで最後の最後まで追い込んだニック選手。スーパーGTで目の離せないバトルを見せてくれた平川選手。そして100号車をここまで一緒に運んできたバトン選手、本当にありがとうございました!
山本選手が来年、どのカテゴリーにいたとしても、今シーズンのような熱いレースを見せてくれる事を心から祈ってます。
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