on your marks
「痛っ!右足に激痛が走った。トラック上に倒れこんだ私はただ痛いと言う気持ちだけで他の事は考えられなかったあまりの痛みにゆっくりと目を閉じた。 病院のベッドの上、動かせない右足、県大会で優勝をして初めて進んだ…
「痛っ!右足に激痛が走った。トラック上に倒れこんだ私はただ痛いと言う気持ちだけで他の事は考えられなかったあまりの痛みにゆっくりと目を閉じた。 病院のベッドの上、動かせない右足、県大会で優勝をして初めて進んだ…
会社を辞めてきた。家庭がある私にとってそれはとても大きな問題だった。 今日は火曜日、今まで20年以上同じ工場に勤めていた。有給なんかもほとんど取った事もなかった私が平日のこんな公園のベンチの座っている事などありえるはずも…
後ろには7人の子が歩いている。集団登校のリーダー6年生のいない、このグループは5年の僕が先頭を歩く。4年生が3人、3年生はいなくて2年生と1年生は2人ずついる。その7人を引き連れて、たった10分ほどの登校時間の隊長だ。 …
ゆるいボールだった。いつもなら、なんの問題も無いこのボール、掴んだと思っていたそのボールは地面に転がっていた。俺にとっての俺達にとっての最後の試合はそこで終わっていた、3年と言う長いようで短い時間はそこで・・・ 悔しい!…
冷たい風が耳に当たる、12月の風は前から横から吹き付ける。学校の帰り道、家まで30分の道のり、一緒に帰る友達とマフラーで包んだ首をすぼめて、ポッケに両手を突っ込んだまま、二人で並んで歩いている。キンキンと冷たくなるのは耳…