最初の目的としていた短編小説(ショートストーリー)はこちらに移動しました
明日晴れるかな
ガラスの向こうを流れる水を見ていた。 そこに映る私の顔は赤く腫れている。泣いているように見えるのはそのガラスの向こう側のせいだ。焼けるような痛みに歯を食いしばりそれが流れぬように…… 「泣いてるのか!」 泣いてない!その…
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ガラスの向こうを流れる水を見ていた。 そこに映る私の顔は赤く腫れている。泣いているように見えるのはそのガラスの向こう側のせいだ。焼けるような痛みに歯を食いしばりそれが流れぬように…… 「泣いてるのか!」 泣いてない!その…
夜間の病院の廊下は広く長い、一歩踏み出せば聞こえる足音も壁に当たり跳ね返ってくる。 廊下に並べられた長椅子に座り、目の前にある銀色の扉をただずっと見つめていた。 落ち着かない心は体も同じ場所に留めて置けない。立ち上がって…
巨大な悪魔 長老は、こう語る 「私達は様々な試練を乗り越えてここにいる。今より遥か昔、私達が栄えた時代もあったが、この世界中の生存競争に負けてきた、弱肉強食の弱者にあたる私達が生き残る為に雪が降る季節になる前に出来るだ…
人間万事塞翁が馬 彼女の家は、少し古い作りで和風と言う言葉が似合う家だった。玄関の前まで辿り着いた僕、横には一緒に彼女もいるのだけど、緊張が止まらない。 「大丈夫、まだパパは帰ってないから、ママしかいないよ」 テレビから…
大きな選択 「お父さんが部屋の片付けをしてるから佳苗、ちょっと手伝ってきてあげて」 そう母に言われて私は二階の父の部屋に行った。 「お父さん、何か手伝おうか?」 「おぅ、じゃそれをこっちへ並べてくれるか?」 父の部屋は本…
ほしのとびら 家に帰るのは15時30分、すぐに洗濯物を取り入れてまた子供を迎えに出て行く、まだ遊びたいと泣く5歳の子を迎えてから、旦那が帰って来るまでの時間に掃除を出来るだけ済まして、ご飯の用意をする、旦那の帰宅時間は大…
「出ていけ~!」 ものすごい剣幕だった。もうそこに居られる空気ではなかったし、この家にはもう居たくないと思った。そして僕は家を出た。 僕は自分で言うのもなんだけど、近所から嫌われていると思っている。小学生の頃からよく外で…
「男の子ですね」そう言われたのは20週目の事、あれから1ヶ月が経ち、定期健診で訪れた病院で心停止と言われた。 結婚して5年なかなか授からなかった子供、そして私達にやっと授かった子供。 原因は分からないが、この子は生きる事…
教室の片隅、僕は本を読んでいた。GWが過ぎて、クラスにも少し馴染んで来た5月も終わる頃、窓際の席に座っている僕、左を見たら運動場、右を見たら、みんなでワーワーと楽しく過ごして人達。羨ましいとは思ってない。何故なら僕は本が…
工場の屋根の上から深く紅葉した山々が見える。この景色はすごく綺麗だ。しかし、もう心は折れている。1年間も無職だった自分がやっと就職したこの会社。今日が終われば、辞めると今決めた!建設現場の会社だったが自信を持って言えるこ…